代表社員・業務執行社員・社員が変わった場合(合同会社)
役員が変わった場合
合同会社の社員には任期がありません。よって,株式会社の取締役のように任期満了による退任はありません。
社員が退社する場合には,定款の社員の定めを変更する必要があります。
また,退社する社員が業務執行社員である場合には,社員の退社の登記を申請する必要があります。
合同会社の社員が退社する事由は,次のとおりです。
社員が入ってくる場合
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新たに出資して入社する
新たに出資して入社するには,総社員の同意により定款の変更をし,社員になろうとする人が,出資金を払い込むことで社員になります。 - 他の社員から持分を譲り受けて入社する
持分を譲り受けて入社するには,社員と社員になろうとする人の契約と,定款変更により社員になります。ただし,持分が「業務を執行しない社員」であれば,登記は必要ありません。 - 社員の死亡により,相続人が承継して入社する
社員が死亡した場合に,その相続人が当然に持分を承継する旨の定款の定めがある場合,その相続人は社員として入社します。ただし,社員が「業務執行しない社員」であれば,登記は必要ありません。
社員が出ていく場合
- 会社に6カ月前に予告し退社する
- やむを得ない事由により退社する
- 定款に定めた事由により退社する
- 総社員の同意により退社する
- 死亡により退社する
社員は上記の各理由により退社します。退社した社員は,持分の払戻しを受けることができるため,退社した社員が出資につき資本金の額として計上していた額が減少することになります。
社員追加(役員追加)
合同会社の場合の役員追加(社員追加)には,2通り方法があります。1つは,新たな出資による社員追加(増資を伴う社員追加)です。もう1つは,持分の譲受けによる社員追加(増資を伴わない社員追加)です。
※出資者(株主)と経営者(役員)が分離されている株式会社と違って,出資者と経営者(役員)が分離されていない合同会社の場合は,「社員の追加」=「役員の追加」となります。
新たな出資による社員追加(増資を伴う社員追加)手続きの流れ
STEP01:定款変更
社員総会を開き,総社員の同意(定款に別段の定めがある場合を除く)により,新たに加入する社員について定款変更の決議を取ります。
STEP02:新社員による払い込み(増資)
新たに加入する社員は,加入する合同会社の口座へ現金を入金振込し,入金日,入金額,入金者がわかる通帳のページをコピーします。(設立時とは違い,加入手続きの際には合同会社の口座へ入金します。代表社員の個人口座ではありませんので,間ご注意下さい。※尚,現物出資の場合は現物を給付し,財産引継書を作成します。
STEP03:登記申請
必要書類を揃え,登録免許税分の収入印紙を貼付し,管轄法務局へ提出します。
持分の譲受けによる社員追加(増資を伴わない社員追加)手続きの流れ
持分の譲受けによる社員の追加の場合は,新たな出資が発生せず,資本金額の移動がありませんので,払込手続きも不要です。また,資本金の額の計上に関する証明書等の書面も不要になります。
従って,手続きとしては新たな出資による社員追加よりも簡易な形で社員の追加が可能です。
STEP01:定款変更
定款に別段の定めがない限り,持分の譲渡は,他の社員全員の承諾が必要です。
※ただし,業務を執行しない,ただの有限責任社員の追加の場合には,業務執行社員全員の承諾で足ります。
「総社員(或いは総業務執行社員)の同意書」と「持分譲渡契約書」を作成し,社員の加入の事実を明らかにした書面によって,加入する社員にかかる部分の定款変更を行います。
STEP02:登記申請
必要書類を揃え,登録免許税分の収入印紙を貼付し,管轄法務局へ提出します。
変更登記費用
代表社員・業務執行社員の変更登記手続き
費用:7,700円+登録免許税30,000円
※資本金1億円以上は3万円
※取締役の人数に関係なく同料金です。